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ケーナインヒルズ物語(料理ウツ)

公開日:2018/09/18

昔に比べたらずいぶん慣れてきたと思われる今でさえも、料理のことを考えると胃が痛くなります。
ペット同伴のペンションでは、素泊まりではなく、食事付きの方が喜ばれます。
ペット同伴可で夜まで営業しているレストランは猪苗代近辺ではほとんどゼロだからです。
だから仕方なく料理を作っているのです。

料理嫌いの私は福島に来てからすぐにウツ病になり、精神科に通うことになりました。
この料理ウツは10年間続きました。
ただ単に嫌いというだけでなく、病気になるほど嫌いだったのです。
本当に困ったものです。

でも私はお客様をがっかりさせたくはありません。
だから仕方なく作っていると言っても、私は一生懸命、心を込めて料理を作っています。
それでおいしいと感じてもらえるのではないかと思っています。

続く

ケーナインヒルズ物語(さて困った)

公開日:2018/09/16

数か月が経ち、ほんの少しずつお客様は増えてきましたが、料理を作るのが苦手で大嫌いな私は、プレッシャーで頭痛がしたり胃痛がしたりで、もう続けることはできないのではないかと思い始めていました。
お客様が多いと時間が掛かり、料理と料理の間の時間が空き過ぎて、お客様を待たせてばかりだったのです。

だからお客様が多いと頭の中で「できない、どうしよう」と言う焦りの波が打ち寄せては引き、打ち寄せては引いていました。
でもその波は引いて行くどころか、だんだん大きなうねりになって私を襲ってきます。
一生懸命料理を作ってはいるのですが、人数が多いというのはそれだけ多く時間がかかってしまいます。
ああ、またお客様を待たせてしまった・・・

でも不思議なことに苦情はありませんでした。
「待ちます、いくらでも待ちます。こんなおいしいものを出してくれるのですから。ゆっくり作ってください。」と笑顔で言ってくださるお客様に安堵したものです。

「待ちます。いくらでも待ちます」はよくお客様に言っていただいていた気がします。
その度に「申し訳ない、私、本当にできないのに」と、悪いことをしたような気持ちになったり、ホッと胸をなでおろしたりしていました。

中には、
「家ではこんなに時間を掛けてゆっくり食べるなんてことはありません。ここではこんなにゆったりと食事ができる。こんないいことはありませんよ。」と言ってくださるお客様もいて、救われる思いがしました。
他のお客様もニコニコしながら頷いていました。

ペットを飼っているお客様は、みなさんゆったりとした気持ちをお持ちのようです。
「ペットと泊まるペンション」にして本当によかったと何度も思いました。
人間だけが泊まるペンションなら、きっと私はこんなに優しい言葉を掛けてはもらえなかったと思います。

続く

ケーナインヒルズ物語(オープン)

公開日:2018/09/15

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沢沿いの野ブドウです。
熟すと薄い紺色や紫色になります。
この辺りでは「猫の目」とも言います。
ガンに効くそうです。
私も焼酎漬けをちびりちびりと飲んでいます。

 

さて、ケーナインヒルズ物語の続きです。
雑誌の広告は、すでに半年前に締め切りは過ぎていました。
ほとんどの雑誌が年1回の発行だということを知らず、広告というものはいつでも載せてもらえると思っていた私たちは、打ちのめされた思いがしました。
たまたま出たばかりの新しい雑誌があって滑り込みで載せてもらいましたが、雑誌と言い、掲載された広告と言い、あまりパッとしないものでした。

そして月日はじわじわと流れて行き、ケーナインヒルズもオープンの運びとなりました。
7月の終わりの吉日に私たちだけでお祝いをしました。
ワインで乾杯しただけの質素なものでしたが。
実際にオープンしたのは8月になってからでした。

長男のバイト君がオープンから1年間、手伝ってくれることになりました。
私たちは手伝ってくれとは一言も言いませんでしたが、両親のすることを見かねて彼は手伝うようになりました。
(その後、また元の会社に戻っていきました。)
掃除、パソコンなどやってもらったお陰で私たちはずいぶん助かりました。

さて、オープンしたといっても、お客様は全くと言っていいほどありませんでした。
初めてのお客様は数日経ったときに1組だけ。
私たちは一生懸命おもてなしをしましたが、それ以後来られることはありませんでした。
でも初めてのお客様の名前は今でも覚えています。

続く

ケーナインヒルズ物語(オープンまで)

公開日:2018/09/14

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どこでも見られる萩の花です。
この花が咲き出すと「秋になったなあ」と思います。

 

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ワレモコウを見ても「秋だなあ」と思います。
そう言えば故郷の大山にもよく咲いていましたっけ。

 

さて、ケーナインヒルズ物語の続きです。
建物は元オーディオ機器のアイワの保養所でした。
買付証明書はアイワに出していました。
ところがアイワがソニーに吸収合併され、私たちはソニーから購入することになったのです。

やっとのことで建物を手に入れましたが、オープンまではこれまた遠い道のりでした。
ずっと使われていなかったボイラーは動かず、リフォームは遅れ、ホームページもできていない状態で、あれもこれも手つかずの状態でした。

何しろペンション経営に関してはズブの素人ですから、何をどうしたらいいのかわかりません。
あれもできていない、これもしなければ、と頭を動かし、体を動かしてみても、ちまちました仕事が次から次へと湧いて出て、時間があっという間に過ぎて行くばかりでした。
とにかくオープンするまでにしなければならないことは山のようにありました。
でもオープンという目標があるというのは、「しんどい、しんどい」と言いながらも、その先に夢があります。
隙間から見える光を追うように、私たちはオープンに向けて突き進んで行ったのでした。

でもこの間に良いこともありました。
長女のポッチーちゃんの友人がケーナインヒルズのロゴマークや音楽を作ってくれたのです。
ポッチーちゃんにプレゼントということで、すべてタダで。

ロゴマークを作ってくれた友人は、ロゴを見ればわかる通り、とてもいい仕事をする人です。
ケーナインヒルズのロゴマークはとてもかわいくて、インパクトがあって、お客様たちにも人気があります。
さすがプロの仕事は違うと、私たちはしきりに感心しました。

音楽を作ってくれた人は事務所を通すとものすごいお金がかかるとのことで、ナイショで個人的に作ってくれました。
当時、茨城から福島に来るとき、磐越道のあぶくま高原サービスエリアで流れていた曲を聞いたポッチーちゃんが「これ、アイツが作った曲だよ」
有名な歌手の曲も、テレビCMで流れている曲も「アイツの曲」というのでびっくりしました。

このふたりはポッチーちゃんの結婚式にも来てくれて、私たちはその時初めて彼らに会ってお礼を言うことができました。

続く

思い起こせば・・・

公開日:2018/09/13

めっきり涼しくなり、秋らしさが増して来るこの頃です。
朝は雨で肌寒かったのですが、お昼になるにつれて日が差してきて暖かくなってきました。

 

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周りの景色も夏色から秋色に変わりつつあります。
前庭の桜の木もちらほら秋色に染まってきました。

 

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栗の実もずいぶん大きくなりました。
下の方ではもう採れているそうですが、標高が少し高いここではもう少し待たなければなりません。

 
「閉館のお知らせ」を載せてから、メールや電話がたくさん来て、なかなかすぐに返事が出せなくて申し訳ありませんでした。
「とてもショックです」とおっしゃる方が多く、びっくりするやら有難いやら。
今更ながらケーナインヒルズを愛してくださった方々の多さに私たちの方が驚きました。

 

思い起こせば「契約、契約」と言いながらすべて破棄され、ソニーに3年間も待たされた、2005年12月のことでした。
12月の上旬だったと思うのですが、「この日契約します」と言いながら、契約近い日になって「都合が悪くなった」と連絡があり、今年中の契約は無理だと諦めていました。
ところが年も押し迫った26日になって、「28日に契約します」との電話があり、その日までに全額を振り込むようにとのことでした。
(銀行振り出しの小切手とかではなく、振り込みでなければならないとのことでした)

大きな会社のソニーにとっては取るに足らないことだから簡単に言えるのでしょうが、この建物が手に入るか入らないかの瀬戸際に立たされている私たちにとって、28日の契約というのは27日中にお金をかき集めなければならず、とても大変なことだったのです。
27日の朝、水戸の銀行から始めて地元の信用金庫、郵便局とまわった訳ですが、その度に応接室に通され、事情を聴かれ、簡単に引き出すことができず、時間ばかり経ってとても焦りました。
地元の銀行に滑り込んだのはほとんど3時で、シャッターが下りようとしているところでした。
振り込んだ後は安堵しましたが、私たちの預金通帳の残高を見て、その少なさにゾッとしたことを覚えています。

翌28日は朝10時に品川の本社に行かなければならず、朝早く家を出ました。
一緒に行くはずだった行政書士の方は12月上旬の契約がなくなったので、今年はもうないだろうとこの日仕事を入れていたので、午後になってから来られました。
間に入ってくれていた関係者も、最後までソニーに振り回されてほとほと嫌気が差していました。

契約のことで思い出すのはこの苦い思い出ばかり。
で、このことがあってからというもの、私はソニー製品のボイコットをしています。

続く

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