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Lemon(その2)

公開日:2019/05/14

めいさんのそばでLemonを聴いていると「やかましい、あっちで聴け」と言います。
でもしっかり聴いているみたいで、
「『雨が降り止むまでは帰れない』なんて『雨が止むまでは帰れない』でいい」とか、
「この歌は変な歌だなあ、民謡みたいに合いの手が入ってる」
「ウェッってやつね」
「ゲボ吐く歌か?」

やっと少しだけ覚えてボソボソ歌っていると、後ろからめいさんがNHKののど自慢のように「カ~ン」と、口で鐘をひとつだけ鳴らして去って行きます。
たったこの前まで、「歌えるようになったのか?自分で歌わないと覚えないよ」と言っていたくせに、実際に私が歌い始めるとこんな調子です。

今めいさんは何をしているとかと言えば、お風呂にも入らずに好きな谷村新司の「昴」を歌っています。(自分で歌う声は大きい)
そのうちに歌声が細くなったかと思ったら、どうやらやっとお風呂に入りに行ったようです。

取り立てて何も起こらない日常の生活が、ときめきも煌めきもこれから先の予定もない一見つまらなさそうな生活が、今の私には嬉しくて楽しくて仕方ありません。
今私はやっと心落ち着けるところにいることを実感しています。

結婚して島根県松江市に住み、それから福岡県北九州市、茨城県旭村(現鉾田市)、福島県猪苗代町と移り住んできました。
松江も北九州も旭村も、そこを早く出たい、違う所に行きたいと、いつも心が絞られるような思いで過ごしていたことを思い出します。
めいさんが私になんの相談もなしに勝手に大事なことを自分ひとりで決めてしまい、私はいつもめいさんに従って生きて来ていたので、いい思い出はあまりなかったのです。

松江を離れる時、ここを出たら、ここよりもっと良い未来に出会えると思っていたのですが、出会えませんでした。
旭村を離れる時、もうここに住まなくていいのだと思うと、嬉しさがこみ上げてきました。
やっと心が落ち着いたところは猪苗代でした。
大自然は私の心を癒してくれました。

私が辛い思いをしていた時、めいさんは自分の仕事が順調だと、私が何を言っても聞いてくれませんでした。
「オレの言うことを聞いていれば間違いないよ」といつも言っていたほど自信過剰だったのです。
この苦しい思いをしていた時、米津さんのLemonを聴きたかった。
聴いて心を紛らわせたかった。(まだ彼は生まれていなかっただろうけど)

めいさんが失明して私を頼らなければならなくなった時、形勢逆転。
めいさんはおとなしくなりました。
ざまあみろ、と思いました。
これからはめいさんが苦しんだらいい。(今は嬉しいことに、そう思わなくなりましたよ)

心が癒され、幸せを感じることのできた猪苗代を離れる時は辛かったです。
でも今は、繰り返して言うように、房総半島に引っ越してきてよかったとつくづく思っています。
老後は生活に便利な施設が近くにあることがとても重要になってきます。
猪苗代にいたら、買い物や病院に行くのも不便だし、冬季は除雪までしなければなりません。
めいさんの病気ももっと進んでしまっていただろうし、毎日びくびくしながら過ごすのは私の心臓にもよくありませんからね。

今も私はLemonを聴きながらこのブログを書いています。
何度聴いてもいい曲だなあ。
めいさんは私がひとつの曲だけを聴き続けていることが不思議に思えるようです。

そうそう、Lemonは「アンナチュラルのエンディングに流れていた曲」というのは間違いで、主題曲だったようです。
ということは、毎回「夢ならばどんなによかったでしょう」と歌う米津さんの声がドラマの最初の頃に流れていたということでしょうか。
米津さんのあの声で、あの曲で、ドラマがどれだけ盛り上がったのか想像がつきます。(視聴率がどれだけあったかは知りませんが)
ドラマの中で流れているのを聞いてみたかった。
きっと雰囲気ぴったりだったと思います。

米津さんが出た紅白歌合戦を見てみたいと思い、U-NEXTで探してみましたが見つかりませんでした。
何としてでも見たかったのに残念!

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