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ケーナインヒルズ物語(盲導犬フーマ)

公開日:2018/09/29

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今ケーナインヒルズにいるのは、3匹のネコと盲導犬フーマです。
フーマはめいさんの盲導犬候補として初めて家に来たとき、入って来るなり、1回だけ「ワン」と吠えました。
「へぇー、盲導犬なのに吠えるんだ」と言うのがその時の私の感想でした。

仙台での共同訓練を終えて、めいさんはフーマのユーザーになりました。
フーマを迎え入れてから私の盲導犬に対するイメージは全く変わっていきました。

それまでは「盲導犬は人間に使われてかわいそう」と思っていました。
それを覆してくれたのはフーマです。
フーマは目の見えない人を安全に目的地まで案内する特別な能力を持った犬ですが、一旦ハーネスを外すとごくごく普通の犬です。
「盲導犬、ハーネス外せばタダの犬」

フーマは何をしても楽しくて仕方のない犬です。
お仕事と言っても、人間がお仕事と言っているだけで、フーマにとっては楽しい遊びのようなものです。(そんなふうに楽しく訓練してくれた訓練士さんというのは、すばらしいの一言に尽きます)
めいさんと一緒にどこかに行くのは大好きです。
RIGHT GO!とめいさんがコマンドを出して右に曲がるとGOOD!と褒めてもらえます。
フーマはこのGOOD!と褒められるのが嬉しくて、ゲーム感覚でめいさんのコマンドを待っています。

フーマがまだいなかった頃は私がめいさんの案内をしていましたが、「めいさん右!」と口では言いながら左に曲がるというようなことはしょっちゅうで、よく叱られていました。
ところがフーマはただの一度も右と左を間違えたことはありません。
これには本当にびっくりしました。
「私よりはるかに頭がいいではないか。犬にしておくのはもったいない」といつも思います。

またフーマはWAITやSTAYが上手です。
私など昔から待つことが苦手でしたが(でもさすが歳を取ってからは若い頃ほど苦ではなくなりました)、フーマはいつまでも待つことができます。
しかもストレスをほとんど感じないで。
めいさんがいつも行く循環器の病院で、8時間も同じところでじっと待っていたことがあります。(この病院は処置室を1室、めいさんとフーマのために開放してくれています)
私たちの方が待つのは辛くて嫌だと音を上げても、フーマは気持ちよさそう転寝をしながら待っています。

雨の降らない日は毎日のように散歩に行きます。
心臓のよくないめいさんは、途中で何回も休まなければなりません。
でもフーマはめいさんのそばで(時にはまたぐら抱っこをしてもらって)涼しい顔をして待っています。

レストランでもフーマはじっとDOWNしながら待ってくれます。
仙台で牛タンを食べに行った時、お座敷でフーマの鼻と牛タンがわずか20㎝くらいしか離れていなかった時にも、フーマは食べようなんてしませんでした。(まあ、私たちがいたからでしょうけど)
「偉いねえ、さすが盲導犬」と思ったものです。

ハーネスをしていると「さすが盲導犬」と、尊敬しますが、ハーネスを外すと悪いことをすることもあります。
誰もいない部屋に食べ物があると、食べちゃうこともあります。
盲導犬は与えたもの以外は食べないと思い込んでいた私は、初めての「ワラビ事件」を経験してから、食べ物はテーブルの上に置いたままにしないように心掛けました。

「ワラビ事件」とは鉢に盛った煮ワラビが汁ごときれいに食べられているのに気が付いて、「あの大量のワラビ、めいさん、みんな食べたの?」と聞くと、めいさんは「全部は食べてないよ。半分食べただけ。」との返事。
・・・と言うことは、犯人はフーマ、フーマしかいない。
でもフーマは知らん顔のままでした。

またある日、めいさんが飲んでいるサプリメントの袋がずたずたになっていることに気が付きました。
「あっ、フーマだ。」
30日分のサプリメントがみんななくなっていました。
めいさんはフーマの口の中を手で調べてみたり、サプリメントの会社に電話したり慌てましたが、特別何も起きなくてホッとしました。

そうそう、「ハンドクリーム事件」もありました。
チューブに入っているハンドクリームを、フーマが半分食べてしまったのです。
で、今は蓋付きの容器に入っているものを使っています。
これならフーマは齧りません。

一番焦ったのは「たこ焼き粉事件」です。
フロントのドアを不注意にも開けたままにしていたら、フーマが奥のオーナー室入って行って、たこ焼き粉を食べた事件です。
白い粉状の犬の足跡がフロントの床に点々と付いていて、辿ってみると奥の部屋に置いてあったたこ焼き粉の袋から粉があふれ出ていました。
これは大変、たこ焼き粉には塩分が多く入っています。
めいさんも私も焦りました。
でも多少下痢をしたようでしたが、事なきを得ました。ホッとしました。

みんな食べることに関係した事件です。
フーマは食いしん坊ですからね。
それからというもの、私たちは食べ物をフーマの目の届くところには置かないよう気を付けました。

フーマは遊びが大好きですが、一緒に遊ぶと、力があるし、結構きついです。
跳び付いて、洋服を破られることもあります。
ピアノの前のカーペットは、継ぎ目のところからフーマが上手に中に入って、敷いてあったスポンジ状のものをボコボコにしたことがあります。
で、今もそのあとが残ったままで、カーペットは平らではなく、ボコボコしたままです。

フーマはハーネスを外せばごくごく普通の犬なんですよ。
でもハーネスを付けると、きちんとお仕事(フーマにとっては楽しい遊び感覚)をしているのです。
オンとオフの切り替えが上手です。
そしていつもユーザーと一緒にいる、しあわせな犬です。
焼きもちも焼くし、自分をいつも見ていてもらいたい、普通のワンちゃんです。

こう話すと、お客様は安心されます。
「盲導犬はお利口で、悪いことは一切しないものだとばかりだと思っていました。ストレスをいっぱい抱えてかわいそうだと思っていましたが、悪いこともすると聞いて安心しました。フーマ君を見て盲導犬の素晴らしさがわかりました。」

中には涙を流される方もいます。
「よかった。人間に使われるだけかと思っていました。よくないこともすると聞いて安心しました。普通のワンちゃんなのですね。よかった、本当に。フーマ君、お仕事がんばってね。」

フーマがいて盲導犬の良さ、素晴らしさを伝えることができてよかった。
フーマのおかげです。

フーマは今日も元気にめいさんと大好きな散歩に出掛けます。
ハーネスを付けた姿はさすが盲導犬です。

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